プロジェクトをやっていると、こういう状況にぶつかることがある。
・人数は足りない
・スケジュールは変わらない
・上は人を出さない
・現場は疲弊している
正直に言えば、こういうプロジェクトは珍しくない。
むしろ企業では、かなりよくある。
なぜなら、企業のプロジェクトは多くの場合
・売上の期待
・政治的判断
・リソース不足
・楽観的見積り
といった複数の要素が混ざってスタートするからだ。
つまり、プロジェクトは必ずしも
「十分な準備が整った状態」で始まるわけではない。
むしろ
足りない状態で始まる
ことの方が多い。
リーダーが最初に陥る罠
こういう状況に置かれると、リーダーは必ず一度こう思う。
「自分が全部背負うしかないのではないか」
私もそう思った。
責任感が強い人ほど、
この考えに引き寄せられる。
しかし、ここには大きな罠がある。
それは
「全部背負う」と、逆にプロジェクトは失敗しやすくなる
ということだ。
なぜなら
・判断が遅れる
・視野が狭くなる
・チームが疲弊する
からだ。
リーダーが全部背負うと、
チーム全体のパフォーマンスは落ちる。
だからまず理解する必要がある。
「全部を成立させること」がリーダーの仕事ではない。
全部は成立しない。
これは能力の問題ではなく
構造の問題だからだ。
では、どう動けばいいのか。
① 成功の定義を変える
リソースが足りないプロジェクトでは
「全部成功」
は成立しない。
だからまずやるべきことは
成功の定義を変えることだ。
例えば
・コア機能は守る
・優先順位の低い部分は後ろに回す
・品質ラインを定義する
つまり
全部成功 → 不可能
重要成功 → 可能
に変える。
これは妥協ではない。
プロジェクト設計である。
② 優先順位を決める
人が足りないときに一番危険なのは
「全部大事」
という状態だ。
全部大事は、実質
全部失敗
になる。
だからリーダーは言わなければならない。
「この順番でやる」
これは冷たい判断ではない。
むしろ
チームを守る判断
だ。
③ リスクを隠さない
人手不足のプロジェクトでよく起きるのは
・現場が無理をする
・問題を隠す
・最後に爆発する
という流れだ。
これは一番危険。
プロジェクトが失敗するパターンの多くは
この構造になっている。
だから
・今週できたこと
・今週できなかったこと
・リスク
を共有し続ける。
これは責任逃れではない。
プロジェクト管理そのものだ。
④ メンバーを守る
人手不足のとき、
リーダーが一番やりがちな失敗は
無理な残業で回すこと
だ。
短期的には回る。
しかし長期では
・ミスが増える
・疲弊する
・チームが壊れる
だから
優先順位で守る。
これがリーダーの仕事だ。
⑤ リーダーは全部背負わない
責任感が強い人ほど
「自分が全部背負う」
と思ってしまう。
しかし本当に強いリーダーは
全部を背負わない構造を作る人
だ。
リーダーの役割は
・全部やることではない
・全部を前に進めること
である。
最後に
人が足りないプロジェクトは
決して珍しいものではない。
むしろ、企業ではよくある。
ただし、その中でも
・怒りで壊れる人
・諦める人
・逃げる人
がいる。
その中で
「どうやって前に進めるか」
を考え続ける人が、
結局プロジェクトを動かす。
リーダーとは
全部背負う人ではない。
前に進める人だ。

