勉強ができないのは、怠けではない

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――「嫌いな食べ物を、食べても食べなくてもいいよ」と言われている状態である

勉強が続かない。
時間はあるのに、YouTubeで溶ける。
やらなきゃと思うほど、勉強という単語が脳内から消える。

これを「意志が弱い」で片づけるのは簡単だ。だが、もっと正確な説明がある。

それは、嫌いな食べ物をいきなり出されて「食べても食べなくてもいいよ」と言われているのと同じである。

この条件で、人は食べない。
当たり前だ。人間を責める話ではない。出し方が悪い。


1. 「優先度が低い」ではなく「存在していない」

勉強ができない時、「優先度が低いからだ」と言われる。違う。もっと冷酷でシンプルだ。

その時の勉強は、実行候補リストに載っていない。
つまり脳内で「0」になっている。

なぜ0になるのか。理由は主に3つである。

  • 食べなくても困らない(期限がない)
  • どこから食べればいいか分からない(開始点がない)
  • 食べた瞬間がまずい(失敗・重さ・自己否定がセット)

これ、まんま「嫌いな食べ物」である。

しかもタチが悪いのは、目の前にお菓子があること。
YouTubeは「努力不要で、口に入れた瞬間うまい」。

嫌いな食べ物 vs お菓子。
勝負になっていない。


2. 勉強を「料理」だと思うと解ける

ここで発想を変える。
勉強は根性ではなく、料理である。

同じ食材でも、出し方次第で人は食べる。
逆に、どれだけ栄養があっても出し方が悪ければ手が伸びない。

勉強も同じだ。

多くの人は勉強を「正しい食べ方」で出してしまう。

  • 毎日30分
  • ちゃんと理解
  • 成果を出す
  • 継続しろ

これは、嫌いな食べ物を「大盛り・味付けなし・完食必須」で出すのと同じである。
そりゃ無理になる。


3. 「やる気がない日」は、調理法を変える日だ

やる気がない日は、努力すべき日ではない。
料理を変える日である。

ここで重要なのは、「勉強する」を諦めることではなく、
“勉強の定義”をその日に合わせて変えることだ。

非常食としての勉強(これで十分)

  • 問題を解く → 答えを見るだけ
  • ノートを書く → 1行だけメモ
  • 進める → 今日の状態を記録する

「それ意味ある?」と思うだろう。ある。
なぜならこれはお腹を満たすためではなく、火を消さないためだからだ。

勉強が0になっている人に必要なのは、成長ではない。
まずは「勉強という概念を現実に存在させる」こと。

火が消えている時に薪を足しても燃えない。火種が先である。


4. 勉強を“義務”から“採取”に変えると、急に回る

もう一つ、強い調理法がある。
勉強を「作業」ではなく採取にする。

採取とは、今日の自分が反応したものを拾うことだ。

  • YouTubeを見てしまった → 刺さった一言を1つだけメモ
  • なんかモヤる → モヤの正体を1語で書く
  • 勉強できない → できない理由を1語で残す

これが勉強か?と思うかもしれない。だが本質はこうだ。

勉強とは、知識を増やすことではない。
自分の世界の解像度を上げることである。

解像度が上がれば、次の一手が決まる。
次の一手が決まれば、開始が軽くなる。
開始が軽くなれば、YouTubeに負けにくくなる。

逆に言えば、勉強に負けているのはYouTubeではない。
開始点の不在である。


5. 今日からの一手:「口をつける」ではなく「皿を固定する」

ここまで読んで、こう思った人がいるはずだ。

一口だけ、って言われても無理な日がある。
そもそも皿がテーブルに乗ってない。
だから勉強が“0”になる。

その通りである。
だから最後にやるべきは「一口食べる」ではない。皿を固定することだ。

勉強が0になる人は、勉強が嫌いなのではない。
“勉強に入るまでの通路”が毎回変わるから、脳が起動できないだけである。

やることは一つ。
勉強を「気分でやる行為」から、「勝手に立ち上がる装置」に格下げする。

勉強を“自動起動”させる、3点固定

固定するのは努力ではない。配置である。

  • 場所:ここ(机の左端、ソファのこの位置)
  • 道具:これ1つ(教材1冊 or アプリ1つ)
  • 開始手順:これだけ(「開く → 1問見る → 終了OK」)

これで勉強は「大きな挑戦」から「いつもの儀式」に落ちる。
バンジージャンプが“階段一段”になる瞬間だ。

今日からの判定:1ミスも許さないのは“内容”ではなく“起動”

勉強の成否を「理解したか」「進んだか」で判定すると、また0に戻る。
判定はこれに変える。

成功=起動したかどうか。

  • 教材を開いた → 成功
  • 1問見た → 成功
  • 答えを見た → 成功
  • 「今日は無理」と書いた → 成功(理由が残るから次に活きる)

YouTubeの強さは「内容」ではなく起動の速さである。
だから勉強も勝ち方は同じ。起動を速くする。

最後に:勉強は“自分を変える行為”ではない

勉強が怖いのは、心の奥でこう思っているからだ。

勉強=自分を変えなきゃいけない

違う。勉強はもっと雑でいい。
勉強=自分を再起動するスイッチである。

スイッチに、やる気はいらない。
押すだけでいい。押せたら勝ちである。


まとめ

勉強ができないのは怠けではない。
「出し方」が悪いだけだ。

  • 大盛りをやめる
  • 完食をやめる
  • 火種を優先する
  • 採取に切り替える
  • 皿を固定して、起動を速くする

勉強を“努力”から“料理”に変えた瞬間、
あなたは初めて、勝てるルールで戦える。

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